室内でできる園芸療法

手軽に始められる室内園芸療法

園芸療法というと広い庭や畑が必要だと思われがちですが、室内でも十分に効果的な活動が可能です。窓際やテーブルの上、棚の一角など、わずかなスペースがあれば始められます。特に高齢者施設や医療機関では、天候や季節に左右されず継続的に活動できる室内園芸療法のニーズが高まっていくことでしょう。
室内園芸療法の大きな利点は、天候に関係なく実施できること。雨や強風、真夏の暑さや冬の寒さを気にせず、年間を通して安定した活動が可能です。また、車椅子の方や歩行が不安定な方でも、テーブルの高さに合わせて作業ができるため、安全に取り組むことができます。

室内で育てやすい植物を選ぼう

室内園芸療法で扱う植物は、環境に適したものを選ぶことが重要です。たとえば、観葉植物ではポトス、サンスベリア、パキラなどが室内環境に強く、比較的管理しやすくなっています。これらの植物は日光が少なめでも育ち、水やりの頻度も週1～2回程度で十分です。
ハーブ類も室内園芸療法におすすめです。バジル、ミント、ローズマリーなどは窓際で育てることができ、香りを楽しんだり、料理に活用したりできます。また、スプラウトやマイクロリーフは、数日で収穫できる手軽さが特徴です。

最小限の道具で始めるコツ

室内園芸療法に必要な道具は、意外にもシンプルです。基本的な道具セットとして、小さめの培養土、ミニスコップ、霧吹き、小さな移植ごて、軽量な水差しがあれば十分です。これらは100円ショップでも揃えられ、コストを抑えて始められます。
プランターの代わりに、使い終わったペットボトルや空き缶を活用することも可能です。その際は、底に穴を開け、受け皿として使い捨ての容器を使用すれば、手軽なプランターに早変わりさせることができます。また、ペットボトルを横に寝かせて切り開くと、ハーブガーデンとして利用できます。

室内での環境づくり

室内園芸療法を成功させるには、適切な環境づくりが欠かせません。光量については、南向きの窓際が理想的ですが、LED栽培ライトを使用することで、場所を選ばず実施できます。温度は20～25度、湿度は50～60%程度を目安に管理します。
土こぼれ防止には、作業時にトレーを使用し、テーブルの上に新聞紙を敷くなどの工夫をすると良いでしょう。害虫対策としては、定期的な観察と適度な換気が重要です。観葉植物の葉は、月に1～2回程度、霧吹きで水を吹きかけながら柔らかい布で拭き取ることで、健康な状態を保つことができます。