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注目を集めている「園芸療法」について知る!

園芸療法の課題

最新記事 効果的に行うために押さえておきたいポイント

課題もある

課題もある

情報不足

様々な面でメリットのある園芸療法ですが、いくつかの課題があることも確かです。
園芸療法の課題としてまず挙げられるのが、情報不足が否めない点です。園芸療法の研究や実践はまだ歴史が浅く、具体的なノウハウや確定的な効果について情報が不足しています。情報不足の原因として、介護施設や地域の緑地活動といった福祉分野における実績があっても、医療分野における研究が進んでいない点が挙げられます。福祉と医療は密に連携が取れているイメージもありますが、実際にはまだまだ連携不足の部分が多いようです。期待できるメリットは複数挙げられますが、確定的なデメリットが不明な状態のため、普及率が上がっていません。
事実、医療機関における園芸療法士の雇用数は、他の療法士に比べて非常に少ないです。医療分野におけるリハビリテーションは各分野の専門職が連携し、チームで取り組みます。それにもかかわらず、なぜ園芸療法士は他に比べて少ないのでしょうか。それについても、やはり園芸療法そのものがまだ発展途上であることが原因として考えられます。関心は高まってきていますが、研究成果が十分にあるとはいえず、データの蓄積や活用ができていません。とはいえ、以前よりも着実に研究や実践の件数は増えています。この流れが続き園芸療法の効果が確立されれば、医療機関における導入も進んでいくでしょう。

園芸療法士の不足

もう1つの課題として挙げられるのが、園芸療法士の不足です。園芸療法士は、意図的かつ計画的に園芸療法を用いて、治療やリハビリに活かす職業です。対象者と信頼関係を築き、それぞれの状態に応じて園芸活動を通じて支援します。2022年8月時点で、園芸療法士の総数は全国で165人です。地域によっては1人も在籍していない都道府県も存在します。園芸療法がまだ歴史の浅い分野であることも影響していますが、制度的または財政的に園芸療法士を配置する余裕がない現場が多い点も課題として挙げられます。特に近年のコロナ禍では医師や看護師の確保が最優先だったこともあり、対象者とのコミュニケーションが重視される園芸療法士は普及に足止めがかかっている状況でした。加えて、介護業界の人手不足も影響しています。高齢化が進行し、要介護者の高齢者が増えている一方で、介護士の数は不足しています。深刻な人手不足に陥っている現場では、一般的な介護士やリハビリ職を優先して雇用するため、園芸療法士の雇用までには手が回っていません。
しかし、現在は状況も変わりつつあります。研究や実践の機会が増えたことに応じて、園芸療法士の数も増えてきました。徐々に実績を重ね、その効果が広く伝われば園芸療法士の数も増えていくでしょう。

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